●「BACnet用語集」もご参照ください。 ●弊社が定期的に開催している「BACnetセミナー」でBACnetの基礎を学ぶことも可能です。
BACnet が誕生するまで
ビル設備における監視や自動制御は、エコや省エネが重要視されている近年において、とても重要な役割を担っています。BACnet が採用されるまでの監視/制御は、各メーカーが独自仕様での通信を行うことが多く、クローズドシステムが構築されていました。異なるメーカー間で接続することは非常にリスクが高く、コストもかかることから、ビル設備の選択が1つのメーカーに偏るという問題がありました。そこで容易に相互接続するために標準化されたオープンプロトコルとして誕生したのがBACnetです。BACnet誕生後は、各ビル設備に安価で信頼性の高いメーカーが選択でき、異なるメーカー同士のシステムでも接続することが可能になりました。
BACnetとは
BACnetとは、「Building Automation and Control Networking Protocol」の略で、異なるメーカーで構築されたシステムを相互接続するための標準化されたオープンプロトコルとして、1995年にASHRAE(米国冷暖房空調工業会)が制定したビルディングネットワークのための通信規格です。2003年にはISO:16484-5として国際標準規格に登録され、空調、照明、入退室制御、電力、火災検知システムといったビル設備が、メーカー独自の仕様であっても、このBACnetプロトコルという共通のインタフェースを介することで、すべて接続することができ、大規模なビルを総合的に、かつ容易に監視/制御をすることができます。
BACnetの現状
現在、BACnet はビル制御プロトコルのデファクトスタンダードとなっており、大規模ビルにはもちろん、中小規模ビルや地下街、ホテルや空港などでも採用されています。日本では電気設備学会がBACnet2004 の仕様を日本の仕様に拡張したIEIEJ-G-0006:2006 を発行しており、この仕様に則った運用が主流となっています。ビルネットワークの広域化と更なる環境問題への対応が重要視されている今、さらにBACnet によるビル制御が期待されています。